相続だけでなく購入でもできる？　〝住みながら投資〟とは

不動産投資が生み出す収益には、物件を売却した際に得る売却益と物件を賃貸に出した際の収益の2種類があります。相続や購入など、物件を所有するに至る工程は様々ですが、〝住みながら〟と考えた時には複数の個室がある建物の内1室に自分が住むパターンや、賃貸併用住宅などが挙げられます。

自分が住んでいる建物を賃貸に出し、自分は新たな物件を購入したり賃貸物件へ転居する方法を〝ヤドカリ投資〟と呼ぶこともあるようです。WEB上で「住みながら投資」と検索すると、しばしば結果として表示されます。しかし、ヤドカリ投資は〟自分が移り住む事が前提ですから、厳密には「住みながら」の条件に当てはまりません。また、購入時に住宅ローンを組んでいれば、原則として支払いが終了するまで、その物件を他人に賃貸として提供することはできません。

アパートやマンションなどの一棟物タイプの物件を購入し、一室に自分が住めば、家賃もかからず一部屋が埋まるので、管理も楽になるのでは……？　と考える方もいるかもしれません。一見空室リスクが減っているような錯覚に陥りますが、収入もゼロなので、収益の面から見れば空室時と変わりません。また購入時に不動産投資用のローンを利用していて、途中から自分で一室を利用して収益が減少する場合には、金融機関に報告が必要です。金融機関によってはローンの繰り上げ返済を求められる場合もあり、賃貸経営に大きな打撃を与える可能性があります。

一棟物件であれば前項でも述べたように、家賃収入が減少します。賃貸併用住宅のデメリットには、利回りの小ささや入居者とのトラブルなどが挙げられます。居住スペースと賃貸スペースの両方を確保するには、土地・建物の費用も当然ながら通常の住宅よりコストが掛かります。建築費用に見合う賃料が得られるラインを詳細にシミュレーションしましょう。入居者との距離が近いため、管理を業者に委託している場合でもトラブルに対する対応を直接、貸主が求められる場合もあります。